#56 ランニング指導について学んできました④

今回のテーマは『ランニング指導』
一般の人でもマラソンが身近なものになってきて、本や雑誌、インターネットなどで様々な走り方が出てきますが、走るという技術をきちんと指導すること、できるようにすることは難しいことです。
ランニングについては3度目ですが、わからないこと、わかっていないことが多いことを感じます。

一般的に言われていることには気をつけないといけない

本などで見かけるランニングのテクニックの中には姿勢や腕振り、着地などに細かく気をつけることが書かれていますが、逆に走りにくい、スムーズな走りができなくなる可能性があるようなものがいくつもあります。
・上体は真っ直ぐにする?

姿勢が崩れると故障の原因になるからといった理由で言われることが多いですが、走るということは“重心”を目的地へ早く到達させるものです。

重心を前に移動させるには上体を軽く前に倒す方がどんどん身体が前に進みますが、脚は後からついてくるので脚の筋肉の疲労感が軽くなります。

・肘を90度に曲げて、肩甲骨を寄せ、腕を引くように振る?

腕を振ることで推進力を生んだり、リズムを作っていきますので腕振りは重要ですが、腕を引くと身体は後ろに反ったようになります。
身体を前に進めないといけないのにこういった腕の振り方だと逆に進まなくなってしまいます。
肩甲骨を寄せてしまうとさらに前に進みにくくなってしまいます。

スプリントの場合は前へ進む推進力を生むために腕は前へ前へ持っていくように振ることが大切です。
腕の振りの大きさはランニングスピードに比例して大きくなります。
スピードがないのに大きく振ろうとしてもリズムが崩れてしまいますが、ランニングスピードが上がってくると自然に大きく振れるようになります。

また、マラソンのような長時間走るような場合は腕をしっかり振ると肩や首の筋肉が疲労して肩が凝ってきます。腕や肩が疲れると腕は横ぶりになり肩も動くようになり真っすぐではなく蛇行して走るようになってしまいます。
ゆっくり長時間走る場合はリズムを作るための振り方をすることが大切になります。

つまり、スプリントなのかマラソンなのか目的によって腕の振り方も変わってきます。
こうでないといけないということはありません。

・踵から着地する、つま先から着地する?

一般的に多いのは踵から着地するというものですが、こういった着地だと脚でブレーキをかけることになるので減速してしまいます。

さらにつま先で地面を蹴ると足首を使うことになりふくらはぎの筋肉に疲労が溜まってしまいます。

また、最近はつま先で着地するということも言われています。
マラソンの世界記録保持者の走り方を分析してみるとつま先から着地しているように見えるからそういったことが言われるようになったようですが、世界記録保持者は2時間3分くらいで42.195km走ります。
一般の人とはスピードが全然違います。脚の回転が早いからつま先で着地しているように見えるだけでフラットに着地しようとしています。
※厳密には足首が硬いのでフラットにしか着地できないということもあります。

フラットに着地すると地面からの反動を貰って前方へ飛び出すように進むようになります。

リズム感を出してリラックスして走ると楽に進むようになる

後半は実際に走っていきましたが、ここで言われることは“とにかくリラックスすること”です。
速く走ろうとするとついつい一生懸命前に進もうとしますが、そうすると力が入って動きがぎこちなくなります。
スキップしたり、踵でお尻を叩いたりも前に進むことは考えずリラックスして行います。
それだけでもフラット着地ができるようになり、太ももの前の筋肉の硬さがなくなり、お尻に引き締まり感が出てきます。

そこから軽く身体を前傾させて重心を前に移動させることを意識をするだけでずっと前に進み続けられるようになります。
リラックスしているので脚には全く疲労感はありません。
それに腕振りで前に進む推進力を加えるとさらに楽に進むようになります。
細かい技術的なアドバイスはなく、とにかくリラックスすることとリズム感を出すだけで1時間もしない間にどんどん走り方が変わってくることを感じます。

目的によって走り方は変わる

今回は効率良くエネルギーを使って速く走ることを目的とした走り方を学びましたが、目的によって走り方は変わります。
エネルギーをたくさん消費したければある意味綺麗ではないフォームの方が無駄にエネルギーを消費するのでその方が効果的な走り方になります。
トレーニングや身体調整同様、目的があって方法があるということです。

毎回のことながらわからないこと、わかっていないことにたくさん気づかされるとても貴重な時間です。
どうしても結果を求めて方法ばかりに探してしまいがちですが、どんなに良いテクニックも問題の原因に対して適切に使えて初めて効果を発揮します。
そういった意味では“物事の考え方”を知るような勉強は大切なことだと思います。