型に嵌めることが基本ではない。投げる、打つにも体の使い方がある

WBCもドミニカ共和国の全勝優勝で終わりました。
文句のつけようもありません。
世界のトップレベルの選手のプレイの1つ1つにワクワクさせてもらいました。

バッティング、ピッチングの身体の使い方に関しては何度も書いていますが、高いレベルの選手ほどシンプルです。
外国の選手に比べると体格、筋肉の質など日本人と比べると違いはあります。
確かに筋肉が大きく力が強くなれば重いものは軽く感じます。
だからといってウェイトトレーニングありきで筋骨隆々の体格になることが必ずしもパフォーマンスの向上に繋がるとは限りません。

筋力の向上でパフォーマンスが向上するのは初期レベルからある程度のレベルまでです。
問題は持っている力をその競技の動作の中で上手く出しきれるかということです。
力の出し方が上手くなればパワーに繋がっていきます。
それは筋肉ではなく、技術の問題です。

高いパフォーマンスを発揮することができる選手は高い技術を持っていますし、身体の使い方も理にかなっているわけです。
理にかなった動きは効率の良いスムーズな動きで、最高の力を発揮することができます。
「楽に」、「リラックスした」動きで決して「力んだり」、「力まかせな」動きではありません。

外国の選手はいろいろなピッチングフォーム、構え方をしています。
しかし「速いボールを投げる」、「ボールを遠くへ飛ばす」ために必要な身体の使い方のポイントはきちんと押さえています。
身体的特徴は人それぞれですから、「個性」というものを大切にしているのかもしれません。
だからこそダイナミックでありながら自然な身体の使い方ができると言えるのかもしれません。

子供の指導に関しても「こう動かせ」、「ここを意識して」というような型にはまった指導が多いようです。
ダイナミックな動きの根本が一人一人の身体的特徴を生かし、人間が本来もっている自然な動きであるとすれば型にはめてしまうことはリラックスした動きを制限してしまうものかもしれません。