バタフライは筋力がないと泳げないと思っている人は多いようです。
難しい泳ぎではありますが、私も指導していた時には小学校1年生でも25m泳ぐことはできました。
大人と子供で筋肉量、筋力を比べれば小学生の方が大人に勝てるわけがありません。
それでもバタフライが泳げるということは筋力は関係ないということです。
何でも筋肉、筋力で解決しようとするのは気をつけなければいけません。
そもそも水中では筋肉がある方が身体が沈んでしまうので必要以上の筋肉はいらないと思いますし、バタフライに必要な筋力はバタフライを泳ぐ練習をすることで鍛えることができます。
それがバタフライを泳ぐために必要な筋力の専門的なトレーニングになります。
バタフライを泳ぐためには筋力よりもむしろ“柔軟性”の方が重要です。
小学生と大人で圧倒的に違うのは筋力だけではありません。柔軟性もです。
大人は子供よりも柔軟性が低い人が多いです。
肩が硬いと腕を回すことも難しくなり、水中から腕を抜くことが困難になります。
腕の掻きは難しそうですが、両腕同時に腕回しをするイメージです。
本を読んでみると『肘を立てる』とか『S字を描くように』といったことを書いているものもありますが、それはテクニックの部分なので、まずは腕回しをきちんとやるようにするだけで十分泳げるようになります。
実際子供達には腕回しをきちんとさせるだけですが、しっかり水を掻いたように見えます。細かいキックと手のタイミングも気にせず、2回キックしてから1回腕を回すような感じでやらせるとだいたい上手くいきます。
キックもドルフィンキックと呼ばれるのでさらに難しいイメージが先行してしまいますが、要は両足を揃えてバタ足を打つということです。
キックにしても力いっぱい打つよりも全身をしなやかに使うことが必要です。
多くの人は腰を前後に振って“うねり”を出そうとしますが、全身を使った方が効率が良いと思います。
頭が下がればアップキックが起こり、頭が上がるとダウンキックが入ります。
ドルフィンキックを意識して打つよりも身体の流れを覚える方がキックも楽に大きく打てるようになります。
“けのび”も大切です。
キックも連続で打てばどんどん進んでいくようなイメージを持ちやすいですが、キックの後に少しけのびを入れるイメージで打つとキックも柔らかくしなるようなキックになりやすいですし、身体が前に進んで行きます。
楽にできることが一番効率も良いしパフォーマンスも良くなります。
何でもかんでも筋力に頼るのではなく、力を抜いて楽にスムーズに体を動かすことをもっと気をつけてみることです。