トレーニングと練習の違いは何か?

スポーツをしている人は日頃トレーニングと練習の2つを繰り返しています。
「練習」と「トレーニング」は全く異なるものです。
練習とは何か、トレーニングとは何かを考えたことはあるでしょうか?
このあたりがはっきりしていなければ結果は全く違ってきます。

トレーニングは筋力を高める、パワーを高める、スタミナやスピード、柔軟性を高めるといったことが目的になります。
いわゆる基礎的な身体作りです。

一方、練習はその競技、スポーツに必要な技術、スキル、テクニックが上手くできるようにするためのものです。
確かに筋力が上がれば重いものが軽く感じられますが筋力の向上でパフォーマンスがアップするのは初期のレベルからある程度のレベルまでの話です。
問題は、高めた力をスポーツ、競技の動作の中でいかにうまく出し切るかということです。
これが技術であり、それを高めるための方法が“練習”です。
力の出し方がうまくなればそれがパワーに繋がります。

この違いがきちんと理解できていないと「トレーニングをして筋量、筋力が上がったのにパフォーマンスが上がらない」ということになってしまいます。
野球が上手くなりたければ野球を、速く走れるようになりたいのであれば走る練習を、泳ぐのが速くなりたければ泳ぐ練習をしなければならないということです。
練習はその競技のための専門的な筋力、スピード、パワーを高めるためのトレーニングでもあります。
スポーツによって体格に違いが見られるというのもこういったことからです。

練習もトレーニングもどちらも大事ですが、バランス良く行うというのが課題です。
スポーツでは練習ばかりに重きを置かれることが多いですが、基礎体力の上に技術があります。
今より高度な技術を身につける練習をするためには体力もそれに見合ったレベルにないといけません。

練習をした後にトレーニングを行うということもありますが、これはあまり効率的とは言えません。
練習では動きを覚えるために実際にその競技に必要な動きをやらなければうまくなりません。
これは神経系のトレーニングになりますが、効果的に行うには身体が元気な状態でやらなければなりません。
疲れた状態で行ってしまうと速く動けません。
ゆっくりとした動きでトレーニングしても遅い動きでは上手くできるようになるかもしれませんが、決して速い動きできちんとできるようにはなりません。

トレーニングでは大きな力を出さなければなりません。
重いものを素早く持ち上げようとするという時にも神経を使います。
筋肉が疲れていれば神経も疲れているので大きな力を出したり、素早く動くことはできません。

つまり、練習とトレーニングは並行して行わなければなりませんが、それぞれを別の日に行うか、時間を置いて集中して行うということです。
練習時間がそれほど取れないなどの問題がある場合は、練習の中にトレーニング的な要素を組み込んでやるという考え方もあります。
例えばウォーミングアップは必ず行いますが、その中に筋トレ的な要素を組み込んだり、パワーやスピード的な要素を組み込んだ動きを入れれば練習とトレーニングを分けてやらなくても練習の中で体作りのトレーニングを行うことができます。

もう1つ注意しなければいけないのが長時間練習すれば上手くなる、速くなるという考え方です。
長時間の練習のメリットはほとんどありません。
例えば1日に8時間練習したなら、その身体を動かした時間の分だけ疲労を回復しなければなりません。
試しに8時間も動くと早く就寝して8時間寝てしっかり休んだつもりでも疲労は多少残ります。
それでまた翌日朝から1日練習すれば、さらに疲労は溜まります。
結局長時間練習がもたらすのは技術の向上ではなく、疲労の積み重ねでしかありません。

技術を身につける、筋力を高める、パワーをアップさせるのであれば元気な状態で練習、トレーニングをしなければいけません。
ということは時間は短くするということです。
そうすれば疲労回復の時間も短くて済みます。
大切なことは、集中して練習、トレーニングを行うことです。

ちなみに、休みをほとんど入れずに長時間練習をしたケースと1時間毎に少し休憩を入れながら練習をしたケースでは動きの習得は休みを入れながら行った方が効果が高かったという研究もあります。
休みを入れることで行った動きについて脳が整理する時間をとることができ、それによって動きの熟練度が高くなったということだと思います。
たくさんやった方が速く身につくと思ってついつい長時間同じ作業を続けてしまいガチですが、実はあまり効率的ではないし、適度に休憩を入れながら行うのは楽、手抜きをしているように思いますが、元気な方がたくさん動くこともできますし能率も上がるのです。