今回は水泳でバタ足を打つと太ももや脚が疲れるという相談。
筋肉がすぐに疲れて長く動かせないと一般的には筋肉が少ない、筋力が弱いなどと言われますが、バタ足をすると太ももが疲れるのは疲れるようにやっているから。
筋肉が多ければ、筋力が強ければ永遠に脚を動かし続けられるようになることはありません。
バタ足をすると疲れるというケースでよく見られるのが足首、膝を伸ばし脚を棒のようにして動かすようなキックの打ち方です。
私自身もフィットネスクラブの泳ぎ方指導に携わっていましたが、よく見かけたのが「膝を伸ばして脚の付け根から動かしましょう」と指導です。
膝を伸ばすために働くのは太ももの前の筋肉です。
膝を伸ばし切ったままキックを続ければずっと太ももの前の筋肉を緊張させたまま動かすことになる。
筋肉は意識的に使えば余計に筋肉を動かすエネルギーを使いますからそのバタ足をしていれば筋肉を動かすエネルギーが尽きてしまい脚が動かなくなってしまいます。
意識的に筋肉を動かすエネルギーを使うから疲れるわけですから、逆のことをする、もっと楽に力を抜いてバタ足をすれば長くやっても疲れないでできるようになります。
長く続けられるようにするにはエネルギー消費を抑える、効率良くバタ足、キックを打つことです。
それは膝を伸ばし切らない、リラックスさせておいて脚の付け根からしなるようなキックをすることです。
脚の付け根と言うと多くの人が“股関節”をイメージしますが、胴体と脚を繋いでいる筋肉は「みぞおち」から付いています。
真っ直ぐではなくボートのスクリューのようなイメージでキックを打ちます。
フィットネスクラブのスタッフ時代には大人だけでなく子供向けの水泳の指導もやっていましたが、そのやり方だと子供でも年配の方のような筋力がそれほど強くない方でも少しずつ脚が疲れることなく打つことができ、楽に長く泳げるようになりました。
また、速く泳ごうと一生懸命打ってしまうこともエネルギーを無駄遣いして脚が疲れてしまう。
全力で動かすと筋肉のエネルギーは7秒しかもちません。
ですからバタ足も速く脚を動かそうと頑張るとすぐに筋肉のスタミナが切れてしまう。
いくら筋トレをしても筋肉のスタミナはそれほど増えない。
長く泳ぎ続けたいのであれば筋に疲労が溜まらないようにもたせないといけないので力を抜いて楽に打つことです。
背泳ぎやクロールならバタ足だけでなく腕をうまく使えば楽に長く泳げるようになるはずです。
何事もうまくなるには頑張るのではなく楽に、効率良くやることです。